08/18
Tue
2015
平成27年の基礎控除引下げでの相続税対象者増加について、土地家屋調査士がトラブルの可能性を事例と共に解説。財産の有無に関わらず、むしろ無い方が揉める可能性大!?
皆さんが所有している土地の周りに、その土地の境界を示す目印はありますか。土地の境界を特定するための手段としては、塀や垣根の設置があります。しかし、相続で代替りしたり、大規模な宅地造成が行われたりしたために、その目印がなくなり、境界が失われてしまう場合があります。
土地の境界を明確にするためには、境界標の設置(埋設)が最もよい方法です。境界標がなかったために、土地を巡るトラブルが起こりやすくなっています。例えばこのような事例があります。
「お隣との境に10年くらい前まで板塀がありましたが、腐食が激しいので取り壊してそのままにしていました。ところが最近になって、お隣のほうでこちらに何の相談もなく境に垣根をつくりました。どう見ても斜めに曲がっていてわたしの敷地を越境しているように思えるので、そのことを申し入れましたが、お隣は一向に聞き入れてくれません。そこで、航空写真を取り寄せ、昔は直線であったことを主張していますが、らちがあかず気まずい思いをしています。板塀を取り壊す前に境界石を入れておけばこんなことにはならなかったのにと悔やんでいます。」
不動産登記法施行規則では、土地の分筆の登記の申請などの際に提出する地積測量図の図面上に境界の位置関係を表示すべきことになっています。この位置関係を明確に表示するのが境界標というわけです。)
境界標には永続性のあるものを
測量の際には通常木杭が打ち込まれますが、これはあくまで仮のもので、何年か経つと腐ってしまったり、動いてしまったりします。最も有効な手段は、境界石やコンクリート標といった永続性のある境界標を埋設することです。都市部のように住宅が密集し、境界標を地中に打ち込むのが困難な場合は、ブロック塀やコンクリートなどに直接打ち込める金属鋲を使って表示することもできます。
境界標を設置しようとする場合は、最終的には登記と結びついてきますので、登記に関する調査・測量の専門家である土地家屋調査士に相談・依頼するのがよいでしょう。
境界標を設置したからといって、それで安心してはいけません。ときどき自分の目で確認するなど、管理にも心配りをしてください。土地の権利は財産権のなかでも特に重要な権利です。常日ごろから境界標を自ら管理し、隣近所とのトラブルが起きないように心がけましょう。
法務省ホームページ『土地の境界トラブル防止』より
相続税を申告しなければならない人は全体の4パーセント程度だったが、平成27年の増税により申告する必要が全くなかった人達も申告しなければいけなくなる。
《平成26年12月31日までの相続》 基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人数
《平成27年1月1日以降の相続》 基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人数
平成27年以降は基礎控除の引き下げに伴い相続税が増税になります。平成26年以前と平成27年以降で相続税を比較すると2倍以上の税負担になる価格帯もあります。
相続トラブルにより「悪化した関係性を修復できるとおもいますか」と聞いたところ険悪な親族関係はもう修復できないとの回答が、約6割という結果に驚きをかくせません。
家族仲がよかったり、もめるほど財産がないからと思っているところほど案外もめているという結果もでています。自分が信頼していても、相手も信頼しているとは限らない。少額でも泥沼、他人事ではない現実があります。
相続財産について親と話し合った経験のある30代独身男性は2割未満との回答結果。
☑ 親と同居していない
☑ 兄弟姉妹の仲が悪い (遺産分割協議ができない)
☑ 嫁が夫の親の介護をした (遺言がない)
☑ 相続させたくない相続人がいる(相続人排除手続)
☑ 持ち家はあるが現金がない
☑ 誰も遺産の内容を把握していない
☑ 先妻との間に子がいる
☑ 愛人との間に子がいる
☑ 相続人が多い
☑ 自分だけ資金援助を受けている(住宅資金、学費、貴金属等の生前贈与)
☑ 親の事業を手伝っている (家業、農業等)
いかに遺産分割協議がスムーズに行えるかです。遺言書があっても裁判になると必ずしも遺言書のとおりになるとは限りません。(遺留分、寄与分)専門家がどれだけ深く関わるかでその後の相続人の人生が大きく変わります。
争続になる可能性が大きい方は、悔いが残らないよう何時でも、何処でも弁護士に相談できる環境を整えておきましょう。
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