08/15
Sat
2015
多発している敷金・原状回復トラブル。入居者の知識不足をいいことに不要な代金を請求してくる業者が後を絶ちません。正しい知識を身に付けトラブル予防を!
賃貸住宅に入居するためには、一般的に賃貸借契約書を家主と取り交わし、敷金、保証金などを支払って入居します。
ところが、借り主が賃貸住宅を退去する際に、ハウスクリーニング、クロス貼り替え、畳表替え、襖張替等の原状回復費用として、高額な料金を請求され、結果、敷金が返還されない敷金を上回る金額を請求されたというトラブルが起こることがあります。
※ ここでは「借家」「賃貸アパート」「賃貸マンション」「間借り」などを「賃貸住宅」としています。
・娘が賃貸マンションの退去に際し、「備え付けのストーブの分解整備料金を請求する」と管理会社から言われた。娘と同様寒冷地に住んでいるが、そのような話は聞いたことがない。支払い義務はあるだろうか。
・先日、10年以上住んだ築30年の賃貸アパートを退去した。立ち会い時に家主から、「支払い済の敷金3ヶ月分を超える部分の修繕費を請求する」と言われた。納得がいかない。
・入居したアパートは、大雨の際に雨が排気口から吹き込むようで、その下に置いた荷物が濡れてしまう。にも関わらず、大家が中々対応しない。
・1年7ヶ月住んだ賃貸マンションを退去した。大家から修繕費の請求書が届いたが、契約書の記載と異なるので、払いたくない。
・賃貸アパートを管理会社立ち合いで退去し、「修繕費5万円」と言われたが、後日倍額の請求書が家主から届いた。当初の金額で支払いたい。
・5年間住んだ賃貸アパートを退去することになった。立会時に不動産業者から、「43万円の修理費を用意できなければ退去できない」と言われた。どうしたらよいか。
・賃貸マンションの契約をした。契約後に、前借主の残置物のエアコンと照明器具の撤去をしたが、撤去後の補修費用まで負担する義務があるだろうか。
・8年半居住した賃貸アパートを退去した。タバコを吸っていたということでクロスの張り替え費用を請求されているが、契約書には書かれていないので払いたくない。
・ペット禁止の賃貸アパートでフェレットを飼っていることがわかってしまい、退去することになった。敷金は家賃の1ヶ月分を納めていたが、原状回復費用として「規約違反をしたのだから」と更に1ヶ月分を請求された。請求の根拠がわからず納得出来ない。
・賃貸アパートを退去したら、高額な修理代を請求された。「納得出来ない」と不動産に伝えたが連絡がない。どうしたらよいか。
国民生活センターより
敷金精算時の原状回復における負担に関して、国土交通省が明確に『普通に使用して起きた汚損、破損した部分は賃借人の負担にはならない』とガイドラインとして定められています。
また、故意・過失があり汚損・破損してしまった場合なども、残存する価値の部分のみが賃借人の負担と定義されており、「居住していた年数」によって入居者の負担する費用が大きく変わってきます。
物品には耐用年数があり、耐用年数以上経過すれば価値がなくなります。原状回復の基本として、たとえ汚したり壊したりしても「残った価値」の分を精算するのが基本とされています。
6年間居住し退去する際、不動産会社から請求された見積りに不満があった為「弁護士に相談してみます」と告げたところ、後日不動産会社より「前回の見積書に間違いがありました」と送られてきた見積書。
本来貸借人が払うものではない費用を請求する事は違法行為となるため、弁護士介入前に本来の請求に訂正してきた実例としてご紹介。
賃貸人、賃借人負担の一般的な例示として国交省ガイドラインが定める区分表
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