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教えてあげる!法律にいさん

日常で起きる身近なトラブルの実例紹介やニュースまとめ、そして予防・解決のための情報を発信していきます。

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09/17

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2015

パワハラによる経営危機

昨今非常に注目されているパワーハラスメント、セクシャルハラスメント等の社内トラブルに関して、放っておくと当人だけではなく企業そのもののイメージ低下や、仕事の効率低下により経営にも影響を与えかねない問題に発展する可能性もあります。社内環境を良好に保てるよう、経営者もトラブルに対する知識を身につけておく事が重要です。




「ばか」「仕事できない」パワハラ相談が最多562件 労使間トラブル 滋賀労働局

労使間のトラブルを扱う「個別労働紛争解決制度」で、平成26年度に滋賀労働局に寄せられた相談1万162件のうち、職場のパワーハラスメントに関する相談が562件で最多だったことが、同労働局のまとめで分かった。同労働局は「パワハラは個人間の問題ではなく、職場の問題だという認識が広まってきているのではないか」と分析している。
同労働局によると、全相談件数は前年度より6.0%少なかったが、7年連続で1万件を超え高止まりで推移している。このうち、個別労働紛争相談件数は2529件で、パワハラに関する相談はその21.9%を占め、22年度以降5年連続でトップとなっている。


個別の事例をみると、「上司から『ばか』『仕事ができない』などの暴言を受けた」「同僚に無視されるなどのいじめ・嫌がらせが続いている」など。同労働局は「業績の良くない状況が続き、従業員を辞めさせようと上司が退職勧奨の代わりにパワハラをおこなうケースも」と指摘する。
パワハラに関する相談は89.3%が従業員からだったが、中には「パワハラを受けて休業した従業員から診療費や慰謝料を請求された」という事業主からのものもあった。
厚生労働省などによる「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」では、パワハラについて、(1)身体的な攻撃(2)精神的な攻撃(3)人間関係からの切り離し(4)過大な要求(5)過小な要求(6)個の侵害-の6類型に分類している。
個別労働紛争解決制度では、こうしたパワハラなどの相談を受け付けており、同労働局の担当者は「一人で我慢せず、まずは相談してもらうことで解決を目指したい」と話している。

2015.8.4 サンケイニュースWESTより


パワハラ5つの定義

職務上の地位または職場内の優位性を背景にしている

職場では「上司と部下」や「先輩と後輩」といった力関係が存在します。
そういった「上司や先輩」と言った優位な立場を利用し、無理に仕事を押し付けたり、仕事を回さなかったりなど、不当な仕打ちを行うことが該当します。


本来の業務の適正な範囲を超えている

「適正な範囲」を定義するのはやや難しいですが、例えば、私的なお遣いである「使い走り」をたびたび命じたり、謝罪時に土下座を命じたりするのは「適正な範囲」を超えており、パワハラと定義できます。


継続的に行われている

1度や2度、怒鳴られたり嫌みを言われたとしても、たまたま機嫌が悪かったり感情に任せてつい言ってしまった場合もあります。人間ですから誰しもそういう時があるでしょう。
しかし、怒鳴ったり嫌みを言う行為が、継続的に何度も行われているのであれば、パワハラに当てはまります。


相手の人格や尊厳を侵害する言動が行われている

仕事と全く関係のない学歴、性別、生い立ち、容姿などを、非難や中傷することもパワハラに該当します。


就労者に身体的・精神的苦痛を与え、また就業環境を悪化させる行為である

仕事でミスをした罰として、何時間も立たせ続ける。暴力を振るうといった肉体を傷つける行為。意見を無視したり、罵詈雑言を浴びせるといった精神的に苦痛を与える行為など。
これらによって「会社に近づくだけで動悸が早くなったり息切れがする」「不眠症になってしまった」など、様々な症状があらわれます。
また、パワハラを受けている本人だけでなく、その姿を見ている周囲の人達にも、緊張感や嫌悪感といった悪影響を与えます。このような、職場全体の士気を下げる行為も、パワハラになります。


さて、「パワハラの定義」を見て頂きましたが、今度は具体的なパワハラ事件の事例を見ていきましょう。


15の有名パワハラ事例

静岡労基署長日研化学事件

MRとして勤務していたKさんが、直属の上司「F係長」から以下のような暴言を受け、精神障害を発症し自殺。
・存在が目障りだ、いるだけでみんなが迷惑している。
・お前のカミさんも気がしれん。お願いだから消えてくれ。
・車のガソリン代がもったいない。
・お前は会社を食い物にしている、給料泥棒。
・肩にフケがベターとついてる。お前病気と違うか。
裁判の結果、労災認定される。



前田道路事件

不正経理を行った「従業員Aさん」に対して「上司Y」が叱責。その後、もともと達成困難な計画未達について、誰の目から見ても落ち込む様子が、見て取れるまで叱責。
最後は「会社を辞めればすむと思っているかも知れないが、辞めても楽にならない」の発言などにより、うつ病を発症。その後、Aさんは自殺。



川崎市水道局いじめ自殺事件

川崎市の水道局に勤務する「Aさん」に対し、課長・係長・主査の3名が、Aさんに女性経験がないことや、Aさんの容姿について嘲笑する。
さらに、主査が果物ナイフをAさんに向け、振り回すようにしながら「今日こそは切ってやる。」などと脅すような行為を、執拗に繰り返す。
言動の中心は主査だったが、課長、係長も主査が嘲笑したときには、大声で笑って同調。Aさんは精神的、肉体的に苦痛を受け、最後には自殺する。



東芝府中工場事件

従業員「Xさん」の、作業上の不手際や休暇申請の取り方に対し、「上司D」は何度も反省書を作成させる。また、後片付けの時間を計るなどの、行き過ぎた指導を繰り返す。
結果、Xさんは会社と上司Dに、損害賠償を求める民事裁判を起こす。



長崎海上自衛隊員自殺事件

自衛官Aさんが、上官であるB班長から「お前は三曹だろ。三曹らしい仕事をしろよ。」「バカかお前は。三曹失格だ。」の発言を継続的に受ける。Aさんは、閉鎖された艦内で自殺。



U福祉会事件

社会福祉法人の職員であるAさんが、職場で開催された職員会議で他の労働ユニオンに参加したことを同僚5人(B~F)から誹謗・非難され、PTSDを発症。
Aさんは、精神的損害を被ったとして、慰謝料の連帯支払い等を求めた裁判を起こす。その結果、Aさんの主張が一部認められた判決が下される。



三井住友海上火災保険上司事件

Gさんは、勤務先の上司Yから「意欲がない、やる気がないなら、会社を辞めるべきです」「これ以上、会社に迷惑をかけないでください」などと書かれたメールを、Gさん本人と職場の同僚に送信。
Gさんは、名誉毀損とパワハラ行為として裁判を起こす。その結果、Gさんの主張が一部認められた判決が下される。



誠昇会北本共済病院事件

看護師資格の取得を目指し、看護専門学校に通学しながら、准看護師として病院に勤務する「男性Oさん」。
Oさんは、職場の先輩であるKたちから、勤務時間終了後に無理矢理遊びに付き合わされたり、Oさんの学校試験前に朝まで飲み会に付き合わされる。
他にも、先輩Kの肩もみ、家の掃除、車の洗車などの雑用を一方的に命じられたり、Kの個人的な用事のため車の送迎等を命じられる。
さらに、Oさんが交際中の女性と会おうとすると、Kから仕事だと偽り病院に呼出しを受ける。また、KがOさんの携帯電話を勝手に使用し、交際女性にメールを送る。
さらに、 職員旅行では、KがOさんに一気のみを強要し、急性アルコール中毒になる。 K達はOさんに対してアルコール中毒を話題にし「あのとき死んじゃったら良かったんだよ、馬鹿」「うるせえよ、死ねよ」等と発言。
その後もOさんに対して、何かあると「死ねよ」「殺す」などと発言したり、悪質なメールを送る。その結果、Oさんは自殺。



国際信販事件

Hさんは入社直後から、上司Sから退職させるためにあらぬ噂を社内に流される。
また、不合理な座席の移動を命じたり、侮辱的な発言受けるなど、精神的苦痛を受ける。うつ病を発症し、退職を余儀なくされる。



バンクオブアメリカ・イリノイ事件

管理職として勤務していたHさんは、新経営の方針に積極的に協力しなかったとして降格。これまでの勤務経験とはかけ離れた、総務課への配置転換を強行される。
この配置転換は、退職へ追いやる意図をもってされたとして、Hさんは会社に、損害賠償を求めた裁判を起こす。



トヨタ自動車パワハラ訴訟

デンソーからトヨタに約1年間出向することなったKさんは、出向先のトヨタで、上司から他の社員がいる前で「使い物にならない人はいらない」と発言される。
また、余裕の全くない過密かつ重圧のある環境で、長時間の残業を強いられ、うつ病を発症し約2ヶ月間休職。
その後、デンソーに復職したが、うつ病が再発し約6ヶ月間休職。Kさんはうつ病発症の原因として、トヨタとデンソーに対して損害賠償を求める裁判を起こす。



ヤマト運輸子会社のパワハラ訴訟

ヤマト運輸子会社の社員であるTさんは、上司Wから起立した状態で2時間にわたり叱責を受ける。同じような叱責は月に何度も上あり、残業は約80時間に及ぶ。
その結果、新入社員歓迎会で脳梗塞を発症し死亡。その後、遺族が「過重な業務と上司のパワーハラスメントで脳梗塞を発症した」とし、会社に対して損害賠償を求める裁判を起こす。



ネスレ配転拒否事件

Bさんは、会社からの配置転換を拒否した後、業務の取り上げや、席を管理職の前に移され、常に監視を受ける。
その後も「会社のノートを使うな」「トイレ以外はうろうろするな」「今週は何をするのか」などの嫌みを言われ、他の社員から隔離されるような状況に追い込まれる。
Bさんは精神的苦痛を受けたとして、損害賠償を求める裁判を起こす。



松蔭学園事件

クラス担任を受け持っていたKさんは、産休を申し出たことから、担当学科とクラス担任等の仕事から外され、約4年半別室に隔離。
その後7年にわたって、自宅研修を命じられる。Kさんは不法行為であるとして、慰謝料を求めた裁判を起こす。



メイコウアドヴァンス事件

金属ほうろう加工会社の従業員Dさんは、仕事上のミスをした際に、会社役員AとBから「てめえ、何やってんだ」「どうしてくれるんだ」「ばかやろう」と大声で怒鳴られる。頭を叩く、足を蹴るなどの暴行も受ける。
また、そのミスによって生じた損害を弁償するよう強要され「出来ないのであれば家族に請求する」と脅される。さらには、退職願を書くよう強要。肉体的、精神的に限界をきたしたDさんは自殺。


パワハラをされたら対策してほしい4ポイント

これまで挙げたパワハラ事例、その中でも「死」を選択してしまう最悪の結果にならないよう、いくつかの対策も紹介しておきます。


同じ部署の人に相談する

同じ部署の中にも、同様にパワハラを受けている被害者がいるかも知れません。また、パワハラを行ってくる上司に対して、不満や憤りを感じている仲間もいるかも知れません。
こうした環境で志を同じくし、行動を共にしてくれる仲間がいれば大変心強いでしょう。


会社の担当窓口に相談する

コンプライアンス専門の部署や相談窓口、また組合などに相談するのも一つの手段です。


厚生労働省のサイトを活用する

厚生労働省が運営するサイト「心の耳」があります。直接誰かと合って話をするのに勇気がいると言う方は一度のぞいてみて下さい。


記録を取っておく

今後、裁判などの法的な手段をとるのであれば、受けたパワハラの詳細な記録を残しておきましょう。この時、できれば周囲の同僚にも証言してもらえるよう、協力を要請しておきましょう。



こうした対策を知り、心の備えをしておくだけでも、気持ちに少しの余裕が出てきます。
パワハラの最も悲劇的なところは、パワハラを受けている本人が精神的に追いつめられていくことです。しかし、ほんの少しでも心に余裕があれば、解決の糸口や希望の光が見えてきます。
一人で抱え込まず、できるかぎりの対策を試みましょう。

2015.02.10 使える自己啓発ならヤギコーチより



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